クリエイティブって何ですか?

2017年9月〜2018年3月末までの7ヶ月間のクリエイティブ日記。世界的にクリエイティブと呼ばれている会社でクリエイティブと呼ばれている仕事をする。クリエイティブであり続けることを求められる7ヶ月間を記録することを通して、クリエイティブとは何か、クリエイティブは何ができるのかについて考えるブログでしたが、その後その環境に身を置きながら、まだまだ答えを探してます。

クリエイティブと言われ続けた4ヶ月

 9月1日の開始からあっという間に4ヶ月が経ちました。プロジェクトも制作段階に入り考えていたものを実際のものにすることの難しさを感じています。4ヶ月を振り返って自分が一番感じたことはクリエイティブであり続けるためには、「何をクリエイティブにしたいか」ということを意識することだと思いました。例えば、コピーライターは新しい言葉を作ります。グラフィックデザイナーは新しい色、形を作ります。あなたは新しい何を作りたいですか?何に対して新しいものを作りたいですか?

 「君のことが好きだ。」という言葉のクリエイティブについて考えてみます。例えば、「君のことが本当に好きだ。」「母親よりも君が好き。」「人生の中で一番君が好き。」これらの言葉はクリエイティブでしょうか?僕にとってはそうではありません。だって、誰でも思いつきそうなことだから。これらの言葉みたいに”好きをいかに強調するかという方法”をとるのが普通だからです。でも、「君のことが本当に」「母親よりも」「人生の中で一番」という部分について新しいものを考える!という目的なら良いと思います。なんでしょう、例えば「生まれ変わっても君が好き」「0歳のときから君が好き」「好き。君が好き。」などでしょうか。前までの言葉「人生の中で一番君が好き=事実」を語ってますが、これらの言葉は「生まれ変わっても=仮定」「0歳のときから=フィクション」「好き。君が好き=順番を変える」といったようにどれも切り口が変わっています。なので「100回生まれ変わっても君が好き。=仮定」「ライオンに食べられても君が好き。=仮定」「100回殴られても君が好き。=仮定」のように同じ切り口の中で細部を詰めていくようなことに対してはあまり魅力を感じていないのだと思います。じゃあ、どういうことに魅力を感じるのか?「君のことが好きだ。」”好きをいかに強調するかという方法”とは違う方法を考えることが好きなんです。例えばなんでしょう、”好きという言葉を使わずに好きの気持ちを表現する方法”とかでしょうか。「多くの人は好きという言葉を使って考えてくるだろう。だから、好きを使わずに考えよう。そっちの方が新しいから。」完全に天邪鬼なんです。そうなると、「夜になるとあなたを思い出します。」「楽しいことがあるとあなたを思い出します。」などが考えられます。でも、ちょっとわかりにくいですかね?でも、好きという言葉を使わないおかげで好きという気持ちを思い出しそうな感じがします。あくまで、わたしの意見です!もちろん好きを愛してるに変えるという考え方もあります。でも、わたし自身はそれには魅力を感じません。コピーライターの中で多くの人は「いやいや、そんなの全部の段階でたくさん考えろよ。」と言われると思います。その通りだと思います。”言葉をクリエイティブにしたい”のであれば。グラフィックについても同じかもなと思いました。犬のグラッフィックを作るとなったとき。多くの人は犬の形を、犬の色をどう新しく表現するか?と考えると思います。でもわたしはこう考えます。”犬が何をしてれば新しいか”。犬が走ってるシーンを色と形でどう表現するか?ということではなく、「犬が人をおんぶしているシーン」「犬が人のご飯をお箸でとってるシーン」何のシーンを描くか?というところを新しく作りたいです。もちろん、これに関しても「両方やるわ!」と言われると思います。おっしゃる通りだと思います。”グラフィックをクリエイティブにしたい”のであれば。

 じゃあ結局何をクリエイティブにしたいのか?”感情をクリエイティブにしたい”のかもしれません。「こんなのあるんだ!」「こんな使い方あったのか!」「こんなことできるのか!」「こういう考え方があるのか!」わたしは材料工学を学びました。そこには「こうやって作るのか!」「こんな構造になってるのか!」「こうやって計算されているのか!」という喜びが常に得られました。大学院ではメディアテクノロジーを学んでいます。「こんなことまでできるようになったのか!」「こんな未来が来るのか!」「この感覚は初めて!」全く知らない領域だったせいか、自分が考えもしなかったことがたくさんありました。仕事では広告をやっています。「こんな発想あるのか!」ということもあります。多くの広告は”伝え方をクリエイティブする(見た目、言葉)”だと思います。広告業界で大切なのは"What to say"と"How to say"だと言われます。それでいうと"What to say"をクリエイティブしたいのかなと思います。What をクリエイティブする感じですかね。そのための方法として、言葉、グラフィック、映像、テクノロジー、人全て使います。なんでも使います。

 残り三ヶ月、自分ができるクリエイティブを貫いていこうと思います。みんなあと少しだけどよろしくお願いします。また、迷惑かけると思う!今のうちに謝っとくね!でも、みんなのことはKFC食べてるときに思い出すほど好きだよ!