クリエイティブって何ですか?

2017年9月〜2018年3月末までの7ヶ月間のクリエイティブ日記。世界的にクリエイティブと呼ばれている会社でクリエイティブと呼ばれている仕事をする。クリエイティブであり続けることを求められる7ヶ月間を記録することを通して、クリエイティブとは何か、クリエイティブは何ができるのかについて考えるブログでしたが、その後その環境に身を置きながら、まだまだ答えを探してます。

プロトタイピングという思考ツール

 プロトタイピングはなぜ大切なのか?プロトタイピングは何のためにするのか?このことについて考えてみました。結論から言うとプロトタイピングは言語化と視覚化と同様の思考ツールだと思います。そもそもプロトタイピングとは何か?僕が知っているプロトタイプングは紙やダンボールを使ったペーパープロト、カメラや動画編集ソフトを使ったビデオプロト、電子工作道具を使ったハードウェアプロトです。どれも共通しているのは具体的な形にすること。具体的な形にするとは言葉として左脳的に理解できる形にするのではなく、視覚的に理解することのできる形にすることです。ここから、「プロトタイピングとは視覚的なイメージを生むもの」だということができます。じゃあなぜ視覚的なイメージを生む必要があるのでしょうか?一つは、他の人とイメージを共有するため。もう一つは、視覚的なイメージを生むものを作る過程にあると思います。僕は特に二つ目の視覚的なイメージを生むものを作る過程が大切だと思います。なぜなら、プロトタイピングするためにはある程度具体的なイメージが自分の中にないとできないからです。例えばペーパープロトタイピングでは、それをどうやって使うのか?という具体的なイメージ。ビデオプロトタイピングでは、それをどこで使って、その結果どうなるのか?という具体的なイメージ。ハードウェアプロトタイピングでは、それがどういう機能を持ってどうやって実現するのか?という具体的なイメージが必要です。「ん?具体的なイメージを考えられるならプロトタイピングなんていらないじゃん」と思います。でも、具体的なイメージを考えるためにプロトタイピングをするんだと思います。プロトタイピングはあくまで思考のツールだと考えています。だから、回数を回すことが大切になってきます。プロトタピングは決して、完成品の前の試作品を作ることではなく、アイデアを具体的に、そしてブラッシュアップするためのものなのです。つまり、プロトタイピングは具体的なイメージを考えるような頭の使い方を促し、プロトタイピングを作る過程で自分が具体的にイメージできていない部分を認識し、実際にできたプロトタイプを通じて自分のやりたいことがあっているのかを検証するためのものだと思います。だから、プロトタイピングを通じてそもそも自分がやりたいことは何だったのか?自分が描いているイメージは正しかったのか?ということを考える機会にもなるんです。プロトタイピングを思考ツールだと考えることが大切だと思います。

 具体的にどうやってやるの?という疑問が浮かびます。そこで、とあるプロトタイピングを大切にしている研究室が実際に行なっていることを紹介します。この研究室では、アイデアを思いついた瞬間に、ビデオプロト、ペーパープロト、ハードウェアプロトを作るらしいです。ポイントはあらゆる種類のプロトを作ることだと思います。プロトタイピングの種類によって具体的な部分が違うため、全てを少しでも考えることは、結果として全体のアイデアの具体性を高めることにつながります。そして、この研究室では作ってすぐに人に見せて意見を聞きます。これももしかしたらプロトタイピングの一種なのかもしれません。トーキングプロトとでもいうのでしょうか。ただ、それができるのは、個人のスキルはもちろんのこと、個人が一つ一つ別のプロジェクトをやるのではなく、研究室メンバー全員が全てのプロジェクトをみんなでやるという認識があるからだと思います。そう考えると、実は”プロトタイピングをするための環境づくり”も大切なのかもしれません。

 

<一言>

自分のアイデア、人のアイデアという考え方ではなく、みんなのたくさんのアイデアというマインドを作りたい。それを邪魔するのは本当にしょうもないプライドだと思う。